2007年09月14日

やっぱり出てきた原発待望論

「無関心と反政治の危険な風が、わが国に吹き始めている。それを不毛な事だと言い募るだけでは不十分であろう。政治が、責任を持った決定を行う能力を失い始めているということを認識しなければならない。」

これは、UDCのリーダーであるCasiniが、コリエレ・デッラ・セラの編集長に送った公開書簡の出だしだ。イタリアでは、政治家が新聞に公開書簡を送るってことは良くあることだ。
http://www.corriere.it/Primo_Piano/Politica/2007/09_Settembre/
13/casini_lettera_nucleare.shtml

ここで、彼が言っている反政治の危険な風とは、ベッペ・グリッロのV-dayを指しているのであろう。
安倍の突然の辞任を目の当たりにした今、この言葉はそのまま日本の状況にあてはまるような気がする。

しかし、ここでうなづいてはいけない。Casiniがコリエレに送った手紙の本題は、原発開発を再開すべきだという内容だからだ。

イタリアのエネルギーシステムは脆弱で、地球温暖化を防ぐための新しいエネルギー源の開発も進んでいないから、この際、やっぱり原発を推進しようじゃないかっていうのだ。
原発推進のロビーが動いているのだろうことは想像できるし、背景には、イタリアエネルギー公社が、現状ではブラック・アウトが起きる危険性があると公表したこともあるようだ。

地球温暖化の話になると、必ず出てくるのが、原発を進めようって話だ。原発は温室効果ガスを排出しないからって理由らしい。しかし、単純に考えても、原子力の熱で水蒸気を作り、タービンを回して発電しているわけで、風力や太陽光に比べても、熱源となっているのは確実だし、なによりも、核廃棄物をどうするのかは、推進側はなにも語らない。

この書簡が掲載されるとすぐに、レーガンビエンテ=イタリア環境連合は、反論を出している。
http://www.legambiente.com/globali/archivi/news.php?idArchivio=2&id=4117
原発建設には、長い時間がかかり、経済面でも負担が大きく、核廃棄物の問題は未だに解決していないという内容だ。

一方で、こんな記事も出ていた。
http://www.ilgiornale.it/a.pic1?ID=205921
環境大臣のPecoraro Scanioの、イタリアは4倍暑いという発表に対する反論で、データをちゃんと見ると、イタリアだけが、異常に暑いわけではないってことらしい。

端から見ていると、これはまるで狐と狸の化かし合いだ。
政治家たちが、こんなことをやっているから、政治に無関心だったり、反政治(ベッペの主張は反政党なんだけどね)の風が吹いてしまうのではないかと思ってしまう。

さて、日本は、自民党総裁選の後にどんな風が吹くのだろう?
posted by tady at 22:12| ローマ | Comment(2) | TrackBack(0) | イタリアのニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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