2008年05月06日

イタリア映画祭2008その3

5月5日、休みをもらって、イタリア映画祭に「L'aria  salata」を見に行ってきた。
仕事場に無理を言って、イタリア映画祭開催期間中に、3日だけ休みをもらったのだが、3日目を5日にするか6日にするか悩んだ。これは、「L'aria salata」 を見るか、「Lezioni di volo」見るかって選択があったからだ。
アルキブージは、それなりに有名な監督なので、後からでも見る機会があるかもしれないって気持ちもあり(Mignon e' partitaは、名作だと思っている)、結局L'aria salataを選んだ次第。
しかし、L'aria sakataの前に上映された短篇「Ieri=昨日」が、印象深かった。

「Ieri=昨日」
「昨日」とは、1969年12月12日のことだ。
この日に何があったかというと、ミラノのフォンタナ広場で爆弾テロがあり、17人が死亡、88人が負傷した。
この事件の真相は、未だに闇の中である。
http://it.wikipedia.org/wiki/Strage_di_piazza_Fontana
そして、この事件が、strategia di tensione=緊張戦略と言われている時代の幕を開けた。
緊張戦略とは、イタリアの左翼が使う言葉で、簡単に言うと、「国家」がテロを行うことで、社会の緊張を高め、より強固な治安維持=左翼運動への弾圧を行おうというものだった。
こんな映像もあるので、イタリア語の分かる方はご覧ください。
http://video.google.com/videoplay?docid=-7284660332593988641

この短篇を見始めてすぐに、これはフォンタナ広場の事件についての映画だなと僕は分かったのだけれど、会場にいた観客のどれくらいが、それを理解したかは、分からない。

こうした短篇が未だに作られているってことは、イタリア社会が負った傷が、未だに癒えていないってことの証しなのかもしれない。
主演女優が、「La giusta distanza」のValentina Lodoviniであったのもビックリした。一般的には劇場にかかることのないこういった短篇映画に、名の売れた俳優がきちんと出ているってことに、イタリア映画界の懐の深さを見た。

「L'aria salata=潮風に吹かれて」
さて、本編の方なのだが、映画としてはよくできていると思う。でも、ストーリーが暗く、話の運びにちょっと無理がある。
描こうとした、息子と父親の葛藤は、よく分かるんだけど、それでも作りすぎって感じを持った。悲劇的な結末もまたしかりである。
大衆受けする映画が良いとは思わないし、考えさせられる映画を好むのだけれど、それでも、映画はエンタテイメントであるとするなら、あまりにも暗く、救いがない。
監督は、ドキュメンタリー畑の出身らしいので、分からなくもないのだけれど、僕的には、あんまり楽しめなかった。
posted by tady at 18:30| ローマ | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする