数十年ぶりってことはないけれど、確実に十数年ぶりにコンサートに行ってきた。
我が家でとっている新聞の販売店を通して、SS席12000円が9800円って格安で購入できたたため。
聞いてきたのは、あまりの我侭と気難しさに、イタリアの有名なジャスフェスティバル、ウンブリア・ジャズに出入り禁止となってしまった、キース・ジャレットのソロコンサートだ。
一時期、彼のケルンコンサートのレコード(CDじゃない)にはまっていたことがあるが、最近は、全く聞いていない。まあ、彼だけじゃなく、音楽全般聞いてなくって、もう10年近くCDは買ったことがない。
それはともかく、久しぶりの生のコンサートを堪能した。
会場には、彼の気難しさを表すように、即興演奏は、極度の集中力を要するので、携帯電話やPHS、アラーム付きの時計は電源を切るように、また、咳なども、ハンカチで口を抑えて音を立てないように注意しろって張り紙がしてあった。
そう、コンサートの曲目は、全てインプロビゼーションによるもので、楽譜などないのだ。
19時開演に少し遅れて舞台に登場した彼が奏でたのは、不協和音。ピアノの鍵盤の上を縦横に走る彼の指先から発せられる音は、混沌と不安と猥雑を表しているように感じられた。そして、ピアノという楽器が、音楽を紡ぎ出す楽器ではなく、鳴らす楽器だってこともわかった。次々と叩かれる鍵盤から出る音で、ピアノが鳴っていた。演奏する彼も、立ち上がったり、唸ったり、まさに今、彼の内部から音が搾り出されてくるような感じであった。
やがて、そのカオスから日本的なリズムが始まり、メロディーが奏でられる。僕には、日本の春の里山を楽しく歩いている風景が見えた。
長い長い緊張の続く混沌から、楽しいげなリズムが導き出されると、なにやらホットすると同時に晴れやかな気持ちにさせられた。
1曲目の演奏は、40分あまり、20分の休憩をはさんで、20時10分に第2部が始まった。
2曲目は、最初からわかりやすいリズムを刻んでおり、混沌へと移行したかと思ったら、すぐにメロディアスな旋律に変り、これは1曲目で疲れちゃったかな? って感じで短めで終わった。
3曲目も、初めは叩きつけるような音から始まり、うねるような音の洪水。そして1曲目よりさらに優しい感じのメロディーへと変わって行った。
2曲合わせてほぼ40分ほど、21時前には、コンサートのメインは終了。
ちょっと物足りないなぁーと思いつつ、アンコールを期待して拍手。
2度3度と舞台に出てはくるものの、すぐ袖に引っ込んでしまったキース・ジャレットも、観客の拍手に応えるように、ピアノの前に座り直し、アンコールの1曲目を弾き出す。
3曲目の余韻が残っていたのか、奏でられたのは、分かり易い優しいメロディーだった。
アンコールってこともあったのだろうが、肩の力が抜けたような、緊張感のあまりない、いい感じの曲だった。とっても短かったけどね。
彼が引っ込むと、再び拍手。これにも彼の方が根負けして、アンコールの2曲め。こっちは、1曲目の終わりのリズムが残っていたのか、リズミカルで、楽しい感じの曲。ああ、こういうジャズなら聞きやすいなぁーって思うものだった。
それでも観客は満足せず、またもや彼が戻ってきた。アンコール3曲目は、繊細で優しい曲。今日のコンサートで、一番気に入った。
もう、これでアンコールはないだろうと思っていたら、観客の拍手に、はいはい、分かりましたよって感じで、再び登場。ここで初めて、彼が舞台で話した。もう9時過ぎちゃったけど大丈夫?なんて時計を見ながら言っていた。
アンコール4曲目は、ノリの良い曲で、思わず客席からも手拍子が。しばらく客の手拍子と共演したあと、はいここまでってジェスチャー。手拍子が止むと、最後の締めを演奏して、コンサートは終わった。
アンコールで4曲(みんな短かったけどね)も演奏してくれるとは思わなかった。
大満足のコンサートでした。
2008年05月14日
Fango
イタリアの歌手、Jovanottiが、今年のアース・デイに際して、Skyで語ったモノローグが、ラ・レップブリカの記事になっていた。
http://ricerca.repubblica.it/repubblica/archivio/repubblica/2008/04/21/310il.html
なかなか良い事を言うなぁーと思い、このブログで取り上げようと思っていたのだが、時間が無くてできなかった。
その後、彼のFangoって歌を聞いて、これもまた、イイと思っていたら、どうやらこの歌、今年創設された、イタリアの歌の歌詞に贈られるMogol賞っていうのを受賞したらしい。
http://www.rockol.it/news-94232/Prima-edizione-del-Premio-Mogol--vince-Jovanotti-con--Fango-
彼がどんなことを語っているかというと、現在は、将来に不安ばかりを感じているが、希望が持てるような将来を感じなければいけないってことや、環境に対する意識がこの10年で大きく変わってきているのだから、決して悲観してはいけないってこと。そして、将来的には、アース・デイなんか無くなって、毎日がアース・デイになればいいんだと語っている。
具体的には、彼のコンサートツアーで排出される二酸化炭素を算出し、それを回復する為にコンサートを行った街に植樹をすることにしたんだそうだ。
そして、賞を受けた歌はこれ
http://jp.youtube.com/watch?v=T7Hg8wO38-M
歌詞はここに出ていた。
http://danilopontone.spaces.live.com/blog/cns!4188B076C6926BA7!1263.entry
ひさびさに訳してみる。これもあくまでも試訳ってことで、僕なりの解釈だ。
FANGO
泥濘み
Io lo so che non sono solo
僕は知ってる、一人じゃないってことを
anche quando sono solo
たとえ、一人でいるときでも
io lo so che non sono solo
僕は知ってる、一人じゃないってことを
io lo so che non sono solo
僕は知ってる、一人じゃないってことを
anche quando sono solo
たとえ、一人でいるときでも
sotto un cielo di stelle e di satelliti
星々と惑星の天空の下
tra i colpevoli le vittime e i superstiti
犯罪者や被害者や生存者に囲まれて
un cane abbaia alla luna
犬が月に吠え
un uomo guarda la sua mano
一人の男が自分の手を見つめている
sembra quella di suo padre
それは、自分の父の手のよう
quando da bambino
まだ、子供だったころ
lo prendeva come niente e lo sollevava su
軽々と彼を抱き、高く持ち上げてくれた
era bello il panorama visto dall'alto
その高みからの眺めは、素晴らしかった
si gettava sulle cose prima del pensiero
考える前に、様々なことに身を投げ出していた
la sua mano era piccina ma afferrava il mondo intero
その手はまだ小さかったが、世界のすべてを掴んでいた
ora la città è un film straniero senza sottotitoli
今、街は、字幕のない外国映画
le scale da salire sono scivoli, scivoli, scivoli
上り階段はすべる、すべる、すべる
il ghiaccio sulle cose
物には氷が張り付いて
la tele dice che le strade son pericolose
テレビでは、道路は危険な状態だという
ma l'unico pericolo che sento veramente
でも、本当に危険だと僕が感じる唯一の物は
è quello di non riuscire più a sentire niente
それは、何も感じなくなってしまうこと
il profumo dei fiori l'odore della città
花の香り、街の匂い
il suono dei motorini il sapore della pizza
原チャリの音やピッツアの味
le lacrime di una mamma le idee di uno studente
母親の涙や学生の考え
gli incroci possibili in una piazza
多分広場の十字路に
di stare con le antenne alzate verso il cielo
そこに佇み空にアンテナを伸ばす
io lo so che non sono solo
僕は知っている、一人じゃないってことを
io lo so che non sono solo
僕は知っている、一人じゃないってことを
anche quando sono solo
たとえ、一人でいるときでも
io lo so che non sono solo
僕は知っている、一人じゃないってことを
e rido e piango e mi fondo con il cielo e con il fango
僕は笑い、泣き、そして空と泥濘みと溶け合う
io lo so che non sono solo
僕は知っている、一人じゃないってことを
anche quando sono solo
たとえ、一人でいるときでも
io lo so che non sono solo
僕は知っている、一人じゃないってことを
e rido e piango e mi fondo con il cielo e con il fango
僕は笑い、泣き、そして空と泥濘みと溶け合う
la città un film straniero senza sottotitoli
街は、字幕のない外国映画
una pentola che cuoce pezzi di dialoghi
会話の断片を料理する鍋
come stai quanto costa che ore sono
どうだい元気か、これはいくら、今何時
che succede che si dice chi ci crede
どうしたんだい、なに言ってるんだ、誰が信じるか
e allora ci si vede
それじゃあ、またな
ci si sente soli dalla parte del bersaglio
敵の側からは、分断されて見えてる
e diventi un appestato quando fai uno sbaglio
何か間違いを犯せば、踏み潰される
un cartello di sei metri dice tutto è intorno a te
6メートルのポスターがあれば、君のまわりは全部語れてしまう
ma ti guardi intorno e invece non c'è niente
でも、君がまわりを見渡せば、そこには何もない
un mondo vecchio che sta insieme solo grazie a quelli che
古き世界が共にあるのは、ありがたいことに
hanno ancora il coraggio di innamorarsi
未だ愛し合う勇気がある連中のおかげ
e una musica che pompa sangue nelle vene
音楽が脈打って血管に血を運び
e che fa venire voglia di svegliarsi e di alzarsi
目を覚まし、起き上がろうという気にさせてくれる
smettere di lamentarsi
文句を言うのはもうやめよう
che l'unico pericolo che senti veramente
君が感じる唯一の危険
è quello di non riuscire più a sentire niente
それは、何も感じられなくなること
di non riuscire più a sentire niente
何も感じなくなってしまうこと
il battito di un cuore dentro al petto
胸の中の心臓の鼓動
la passione che fa crescere un progetto
プロジェクトを育てようという情熱
l'appetito la sete l'evoluzione in atto
食欲、渇き、進み行く進化
l'energia che si scatena in un contatto
コンタクトを解き放つエネルギー
io lo so che non sono solo
僕は知っている、一人じゃないってことを
anche quando sono solo
たとえ、一人でいるときでも
io lo so che non sono solo
僕は知っている、一人じゃないってことを
e rido e piango e mi fondo con il cielo e con il fango
僕は笑い、泣き、そして空と泥濘みと溶け合う
io lo so che non sono solo
僕は知っている、一人じゃないってことを
anche quando sono solo
たとえ、一人でいるときでも
io lo so che non sono solo
僕は知っている、一人じゃないってことを
e rido e piango e mi fondo con il cielo e con il fango
僕は笑い、泣き、そして空と泥濘みと溶け合う
e mi fondo con il cielo e con il fango
そして、僕は空と泥濘みと溶け合う
e mi fondo con il cielo e con il fango
そして、僕は空と泥濘みと溶け合う
(Jovanotti)
http://ricerca.repubblica.it/repubblica/archivio/repubblica/2008/04/21/310il.html
なかなか良い事を言うなぁーと思い、このブログで取り上げようと思っていたのだが、時間が無くてできなかった。
その後、彼のFangoって歌を聞いて、これもまた、イイと思っていたら、どうやらこの歌、今年創設された、イタリアの歌の歌詞に贈られるMogol賞っていうのを受賞したらしい。
http://www.rockol.it/news-94232/Prima-edizione-del-Premio-Mogol--vince-Jovanotti-con--Fango-
彼がどんなことを語っているかというと、現在は、将来に不安ばかりを感じているが、希望が持てるような将来を感じなければいけないってことや、環境に対する意識がこの10年で大きく変わってきているのだから、決して悲観してはいけないってこと。そして、将来的には、アース・デイなんか無くなって、毎日がアース・デイになればいいんだと語っている。
具体的には、彼のコンサートツアーで排出される二酸化炭素を算出し、それを回復する為にコンサートを行った街に植樹をすることにしたんだそうだ。
そして、賞を受けた歌はこれ
http://jp.youtube.com/watch?v=T7Hg8wO38-M
歌詞はここに出ていた。
http://danilopontone.spaces.live.com/blog/cns!4188B076C6926BA7!1263.entry
ひさびさに訳してみる。これもあくまでも試訳ってことで、僕なりの解釈だ。
FANGO
泥濘み
Io lo so che non sono solo
僕は知ってる、一人じゃないってことを
anche quando sono solo
たとえ、一人でいるときでも
io lo so che non sono solo
僕は知ってる、一人じゃないってことを
io lo so che non sono solo
僕は知ってる、一人じゃないってことを
anche quando sono solo
たとえ、一人でいるときでも
sotto un cielo di stelle e di satelliti
星々と惑星の天空の下
tra i colpevoli le vittime e i superstiti
犯罪者や被害者や生存者に囲まれて
un cane abbaia alla luna
犬が月に吠え
un uomo guarda la sua mano
一人の男が自分の手を見つめている
sembra quella di suo padre
それは、自分の父の手のよう
quando da bambino
まだ、子供だったころ
lo prendeva come niente e lo sollevava su
軽々と彼を抱き、高く持ち上げてくれた
era bello il panorama visto dall'alto
その高みからの眺めは、素晴らしかった
si gettava sulle cose prima del pensiero
考える前に、様々なことに身を投げ出していた
la sua mano era piccina ma afferrava il mondo intero
その手はまだ小さかったが、世界のすべてを掴んでいた
ora la città è un film straniero senza sottotitoli
今、街は、字幕のない外国映画
le scale da salire sono scivoli, scivoli, scivoli
上り階段はすべる、すべる、すべる
il ghiaccio sulle cose
物には氷が張り付いて
la tele dice che le strade son pericolose
テレビでは、道路は危険な状態だという
ma l'unico pericolo che sento veramente
でも、本当に危険だと僕が感じる唯一の物は
è quello di non riuscire più a sentire niente
それは、何も感じなくなってしまうこと
il profumo dei fiori l'odore della città
花の香り、街の匂い
il suono dei motorini il sapore della pizza
原チャリの音やピッツアの味
le lacrime di una mamma le idee di uno studente
母親の涙や学生の考え
gli incroci possibili in una piazza
多分広場の十字路に
di stare con le antenne alzate verso il cielo
そこに佇み空にアンテナを伸ばす
io lo so che non sono solo
僕は知っている、一人じゃないってことを
io lo so che non sono solo
僕は知っている、一人じゃないってことを
anche quando sono solo
たとえ、一人でいるときでも
io lo so che non sono solo
僕は知っている、一人じゃないってことを
e rido e piango e mi fondo con il cielo e con il fango
僕は笑い、泣き、そして空と泥濘みと溶け合う
io lo so che non sono solo
僕は知っている、一人じゃないってことを
anche quando sono solo
たとえ、一人でいるときでも
io lo so che non sono solo
僕は知っている、一人じゃないってことを
e rido e piango e mi fondo con il cielo e con il fango
僕は笑い、泣き、そして空と泥濘みと溶け合う
la città un film straniero senza sottotitoli
街は、字幕のない外国映画
una pentola che cuoce pezzi di dialoghi
会話の断片を料理する鍋
come stai quanto costa che ore sono
どうだい元気か、これはいくら、今何時
che succede che si dice chi ci crede
どうしたんだい、なに言ってるんだ、誰が信じるか
e allora ci si vede
それじゃあ、またな
ci si sente soli dalla parte del bersaglio
敵の側からは、分断されて見えてる
e diventi un appestato quando fai uno sbaglio
何か間違いを犯せば、踏み潰される
un cartello di sei metri dice tutto è intorno a te
6メートルのポスターがあれば、君のまわりは全部語れてしまう
ma ti guardi intorno e invece non c'è niente
でも、君がまわりを見渡せば、そこには何もない
un mondo vecchio che sta insieme solo grazie a quelli che
古き世界が共にあるのは、ありがたいことに
hanno ancora il coraggio di innamorarsi
未だ愛し合う勇気がある連中のおかげ
e una musica che pompa sangue nelle vene
音楽が脈打って血管に血を運び
e che fa venire voglia di svegliarsi e di alzarsi
目を覚まし、起き上がろうという気にさせてくれる
smettere di lamentarsi
文句を言うのはもうやめよう
che l'unico pericolo che senti veramente
君が感じる唯一の危険
è quello di non riuscire più a sentire niente
それは、何も感じられなくなること
di non riuscire più a sentire niente
何も感じなくなってしまうこと
il battito di un cuore dentro al petto
胸の中の心臓の鼓動
la passione che fa crescere un progetto
プロジェクトを育てようという情熱
l'appetito la sete l'evoluzione in atto
食欲、渇き、進み行く進化
l'energia che si scatena in un contatto
コンタクトを解き放つエネルギー
io lo so che non sono solo
僕は知っている、一人じゃないってことを
anche quando sono solo
たとえ、一人でいるときでも
io lo so che non sono solo
僕は知っている、一人じゃないってことを
e rido e piango e mi fondo con il cielo e con il fango
僕は笑い、泣き、そして空と泥濘みと溶け合う
io lo so che non sono solo
僕は知っている、一人じゃないってことを
anche quando sono solo
たとえ、一人でいるときでも
io lo so che non sono solo
僕は知っている、一人じゃないってことを
e rido e piango e mi fondo con il cielo e con il fango
僕は笑い、泣き、そして空と泥濘みと溶け合う
e mi fondo con il cielo e con il fango
そして、僕は空と泥濘みと溶け合う
e mi fondo con il cielo e con il fango
そして、僕は空と泥濘みと溶け合う
(Jovanotti)

