2009年07月08日

地獄の海

グリーンピースイタリアが、「Un mare d'inferno Il Medeiterraneo e il cambiamento climatico=地獄の海 地中海と気候変動」っていうレポートを発表している。
http://www.greenpeace.org/italy/news/mediterraneo-clima
全文は、プレスリリースのページから、
http://www.greenpeace.org/italy/ufficiostampa/rapporti/mediterraneo-clima
PDFで見ることができる。
http://www.greenpeace.org/raw/content/italy/ufficiostampa/rapporti/mediterraneo-clima.pdf

グリーンピースというと、日本では反捕鯨の団体ってことで、ネガティブなイメージを持っている人が多いのだろう。
現在のグリーンピースイタリアがどうなのかは分からない。でも、少なくともイタリア支部が出来た時の裏話を友人から聞いた限りでは、イタリアのグリーンピース支部を開設する際に、代表となった人物は、元平和運動をやっていた人で、いわゆるグリーンピース的な派手なアクションで人目を惹くというやり方は、イタリアでは率先してやらないってことを条件に引き受けたと聞いている。

さて、今回のレポートだが、30近い学術論文を引用しつつ、わかりやすい形で、地中海の置かれている現状を書いている。

地中海は、地球全体の海のおよそ1%の面積しかないが、5〜15%の海洋生物種が生息しているという。
温室効果ガスの影響で、地球全体の温度が、産業革命以前に比べておよそ0.8度上がったと言われているが、これは地中海にも影響を与えているという。
また、排出されるCO2のおよそ4分の1を海洋が吸収しているそうだが、これにより海の酸性度が上がっているんだそうだ。
海水温の上昇と酸性度の上昇によって、地中海は地獄の海になっているってことらしい。
地表の気候変動により、豪雨や干ばつが起こり、それによって海に流れ込む川の水が大きく変動することで、地中海の環境に大きな変化をもたらしているという。

地中海にも6千メートルを超える海溝があるそうだが、その深海において、毎年0.004度の水温の上昇が確認されているそうで、わずかな温度上昇ながら、安定した深海の環境にとっては、かなりの影響があるという。

海水温の上昇により、地中海南部を生息域としていた海洋生物が、どんどん北へ進出していることも確認されている。

気候変動を防ぐために対策をたてなければならないという時期はとっくに過ぎていて、最早気候変動の真っ只中にいるということを認識し、地中海のエコシステムを救うためには、漁業・工業。運輸・観光が一隊となって、出来うる対策を即座に行う必要があると、このレポートは述べている。
その具体策として、地中海に面する各国が、自国の領海にある保護地区で、環境保護政策を早急におこない、それらを結ぶ国際的なネットワークを作るべきだと提案している。
現在、地中海には32の海洋保護地域があるようで、その詳細は、ここで見ることができる。
http://www.greenpeace.org/italy/news/riserve-marine

イタリア語では、地中海のことをMediterraneoと呼ぶが、同時にラテン語でMare Nostrum=我らの海という言い方もする。これは、ローマ帝国時代、地中海の回りの陸地全てを支配していたことからきている。
http://en.wikipedia.org/wiki/File:RomanEmpire_117.svg

ある意味閉鎖水域であり、環境の変化に対して脆弱であろうし、歴史的な思い入れも強い海であるわけで、イタリア人が心配するのには理由がある。

地中海よりずっと広い太平洋に面している日本は、沖縄のサンゴが海水温の上昇で死んでいることや食卓に登る魚達の回遊ルートが、どんどん北上しているなんてことをニュースで見聞きすることはあっても、あんまり深刻に考えていない節があるんだけど、地球温暖化の状況は、かなーりやばいことになっている気がする。
今年の夏も、猛暑が予想され、豪雨がありそうなのだが、暑い暑いとクーラーをフル回転させたり、週末の高速料金が安いからと、無駄な遠出をしたりするのは、そろそろ止めにしないとヤバイかもよ。
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posted by tady at 22:14| ローマ 晴れ| Comment(0) | TrackBack(0) | イタリアのニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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