2009年10月26日

雪冤 読了

大門剛明の「雪冤」を読み終わった。
第29回横溝正史ミステリ大賞受賞作である。
扱っているのは、冤罪と死刑制度。
なかなか重いテーマとかなり真面目に向き合っている作品ではあるのだが、巻末にある選評にもあるのだが、最後のところで、コケてしまっている。
作者の思いが先走りすぎていて、読者は戸惑うばかり。
ミステリで一番大切なはずの落ち=謎解きが、あまりにも作者の独りよがりすぎる。
構図はそのままでもいいと思うけど、もう少し丁寧に書き込んでくれたら、さらに面白かったのにと、実に残念。
走れメロスをベースにして、死刑制度を考えさせるって構成は、いい感じなんだけどね。

この作品でも描かれているように、最近は、あまりにも死刑執行のペースが早いのは確か。
死刑というのは、国家による殺人だと僕は思っていて、死刑よりも、終身刑を設けるべきなんじゃないの?って思うわけだが、日本の場合は、死刑か無期懲役しかない。この間にあるギャップはかなりのもの。無期懲役って言っても、20年くらいで仮釈放になっちゃうわけで、死刑で命を失ってしまうのに比べると、無期懲役はちょっと軽すぎって気がする。
被害者の側にしても、今や人生80年の時代に、例えば20歳で殺人を犯し、無期懲役になって20年服役していたとしても、40歳。人生の残りの半分は娑婆で過ごせるとなると、殺せれてしまった人の人生がそこで終わってしまったのに比べると、あまりにも軽い刑って感じがする。

民主党政権に変わり、法務大臣が千葉景子になったことで、これからの死刑執行がどうなるのかが、かなり気がかりではある。
posted by tady at 00:43| ローマ | Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/131176210
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック