チーム・バチスタの栄光と同じ、田口・白鳥シリーズの物語ではあるのだけれど、内容は随分と違う。
作者は、現役の医者であり、その彼は、AI(死亡時画像診断)の導入を主張しているわけだが、彼の主張を巡って、東大の教授から名誉毀損で訴えられたりしているリアルな世界があって、それを念頭において読むと、ある意味、厚生労働省の官僚への痛烈な批判の小説ってことがわかる。
作品として見ると、エンタテイメント性をやたらに助長した文体で、その辺がかなり鼻につく。
ただ、話の内容自体は、興味深い。
現在の医療体制を変革するための一つの手法として、小説を使うっていうのは、なかなか面白いとは思うんだけどね。
政権交代により、脱官僚の政治を目指す民主党が与党になったわけだか、本当に政治主導の政権運営が行われるならば、その影響は、小説世界にも及ぶのかもしれない。
官僚の闇の部分を描いた小説が成立しなくなって、小説世界も、脱官僚にならないといけなくなるからね。

