2011年01月26日

あんじゅう 読了

宮部みゆきの「あんじゅう 三島屋変調百物語事続」を読み終わった。読売新聞の連載小説として書かれたものだが、「おそろし 三島屋変調百物語事始」の続編にあたる物語となっている。宮部みゆきの時代物小説のシリーズのひとつだ。いろんのジャンルの小説を書く作家であるが、物語を紬出す力は、さすがである。
タイトルとなっている「あんじゅう」は第三話に収められている「暗獣」のことなのだが、なぜひらがなのタイトルにしたのか、作品を読むと納得できる。「くろすけ」の方がさらによかったのかもしれないけれど、、、まあ、宮崎駿の「トトロ」に出てくる「まっくろくろすけ」があるので、避けたのかもしれない。
以前、宮崎駿と司馬遼太郎、堀田善衛の鼎談「時代の風音」というのを読んだときに、闇に潜む物の怪の話があって、そこらじゅう灯りで照らされるようになって、昔は神社の暗闇などに潜んでいたはずの物の怪がいなくなってしまったというようなことを話していたのだが、まっくろくろすけもこの物語のくろすけも、まさにそのような、かつて存在した物の怪を描いているように思う。
そもそも、それらの物の怪は、人の心の中に存在するものであると思うのだが、この作品も、不思議な現象を語っているようでありながら、人の心の有り様を描いている。
本としては、新聞小説連載中に描かれた挿絵がふんだんに使われていて、ちょっと変わった装丁となっているのだが、その辺の事情は、読売新聞のサイトに理由が出ていた。
http://www.yomiuri.co.jp/book/feature/20100907bk02.htm

なかなか面白い作品であった。
posted by tady at 21:26| ローマ ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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