2011年03月09日

抱影 読了

北方謙三の「抱影」を読み終わった。ひところ彼の小説は良く読んだのだが、最近はご無沙汰していた。図書館で目について、出だしを読んだら、どうやら横浜が舞台らしいってことで、借りてみた。ネットで調べたら、14年ぶりの書き下ろし小説なんだそうだ。
主人公は、横浜の中心部に酒場を5つ経営する中年男。しかしその一方で、画壇で評価が高まる抽象画家という顔を持っている。
いわゆるハードボイルド小説の小道具は満載。主人公が葉巻を吸ったり、バーでのウィスキーやカクテルの薀蓄話なども出てくるし、もちろんこういう主人公に欠かせない女も複数登場する。そしてヤクザとの関係。
こんなのあり得ないよなっていう設定の中で、主人公の生活がある種淡々と描かれる。見方によってはつまらない小説だ。
しかし、主人公が思いを寄せる人妻とのプラトニックな関係とか、抽象画に対する思いなど、読んでいてなにか引っかかるものがあった。
終わり方は、なんとんはく無理やりにハードボイルドにしてしまったって感じがあって、別にこういう風に物語を閉めなくてもいいんじゃない? って思ってしまった。
こういうどうでもいい内容の話を、読ませてしまう作家の力量ってのを感じた作品でもあった。
posted by tady at 11:36| ローマ | Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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