2011年05月04日

イタリア映画祭2011 その5「アルデンテな男たち」

原題は「Mine vagante」。邦題も仮題となっているが、既に日本公開が決まっているらしく、一般公開時には、別のタイトルになるようだ。原題の意味は、浮遊機雷である。その意味は、劇中で明らかになっている。監督はイタリア映画祭の常連といってもいい、トルコ出身のFerzan Ozpetekだ。

南イタリアのレッチェから、ローマの大学に出てきた主人公のトマーゾ(演じているのは、若手二枚目俳優として人気の高いScamarcio)は、親に3つの隠し事があった。一つ目は、親の経営するパスタ工場を継ぐべく、経営学を勉強するためにローマに出てきたのだが、文学部に入ってしまったこと。二つ目は、親の後を継ぐ気はなく、作家になりたいと思っていること。そして三つ目が、ゲイであり、同棲している彼氏がいることだった。

夏に実家に帰省したおり、これらの隠し事を親に告白する決心をしていたのだが、一族が集まり、晩餐が行われている中、彼が意を決して告白しようとすると、兄であるアントニオが、先に、自分はゲイであることを告白してしまう。
保守的な南部で、それも大きなパスタ工場を経営する地元の名士でもある父親は、それを聞いて卒倒してしまう。
男は、妻を娶り、愛人を囲うのが当たり前だと思っている、男尊女卑思想の持ち主である父親は、即座にアントニオを勘当する。しかし、その後も、アントニオがゲイであることが世間に知れ渡ると、自らが大恥をかくことになると、ノイローゼにもなってしまう。

弟であるトマーゾは、自分までもがゲイであることを父親が知れば、ショックのあまり死んでしまうだろうと、告白を思いとどまり、兄の代わりに、倒れた父の後を継ぎ、会社の経営に携わることになる。
おりしも、会社では、他の会社との合併が進んでおり、共同パートナーとなった一族の娘アルバと、一緒に会社の運営を任されることになる。
実は、彼女も心に傷を抱えており、彼氏ができない。ゲイのトマーゾとの奇妙な友情関係が育まれていく。

そんな彼らの様子を、暖かい目で見守っているのが、祖母であった。彼女には、愛していた人から引き離され、その人の兄と結婚させられたという過去あり、年老いてなお、自らの若かりしころの決断に納得できずにいた。それゆえなのか、祖母は、エキセントリックなところがあり、回りからいつ足元に来て、爆発するかわからない浮遊機雷と呼ばれていたのだ。

孫たちの気持ちを一番理解していた祖母は、糖尿病を患っており、遺書を残して、大量のケーキを食べて自殺してしまう。
最後には、祖母の死により、ゲイの息子達を受け入れる決心をする両親であった。

未だに男尊女卑思想の残る南部の大家族の様子が面白おかしく描かれており、かなり笑える。
また、仲良く寄り添うトマーゾと恋人のマルコを優しく見つめるアルバが印象的だった。
イタリア若手俳優の中でも、セックスシンボルと言われ、「恋愛マニュアル2(邦題は、「モニカ・ベルッチの恋愛マニュアル」)では、ベルッチと濡れ場を演じていたりするScamarcioが、ゲイを演じているのも面白い。

いずれ日本でも一般公開されるようなので、機会があったら、見てみてください。かなりネタバレになってるけど、、、
posted by tady at 23:58| ローマ ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。