2011年05月09日

イタリア映画祭2011 その8「僕たちの生活」

原題「La nostra vita」。監督は、Daniele Luchettiだ。主演しているのはElio Germano。彼の出演した「Nー私とナポレオン」や「犯罪小説」は見ている。なんか線が細い感じだったのだけれど、今回の作品では、いい感じに逞しくなっていた。

ストーリーは、二人の子どもを持ち、3人目の出産を控えた妻と実に仲睦まじい生活を送っている主人公クラウディオは、ビルの建築現場で働く、現場監督であった。
ある日、偶然にも、建設現場のエレベーターシャフトの下で死体を発見してしまう。しかし、それを警察に届け出れば、サ行がストップし、納期に間に合わなくなってしまう。良心の呵責を感じながらも、見て見ぬふりをしてしまう。
一方、急に産気づき、妻を車で病院に運び、第3子の誕生を待っている彼にもたらされたのは、子どもの誕生とともに、妻が亡くなったという知らせだった。
3人の子どもを抱え、一人取り残される主人公。悩んだ挙句、決心したのは、発見した死体の話をネタに、元請けを強請り、下請けさ行を発注させ、金を稼ぐことで、心の空白を埋めようということだった。
下請け作業を請け負っても、元手の金が必要となる。主人公は、その金を近所に住む麻薬の売人をしている友人から借りる。
作業は思うように進まず、働いているのは、不法滞在をしている外国人労働者ばかり。そこに、貸した金をすぐ返してくれないと殺されるという電話が、麻薬の売人から入る。
労働者たちへの支払いを、返済に回すのだが、ついに資金繰りが出来なくなり、労働者たちは現場を放棄してしまう。
そんな時に手を差し伸べてくれたのが、兄弟たちであった。

現代イタリアの低所得者層の人々の、ありうべき日常を描いているといってもいい映画なのんだろう。ビルの建設における手抜き作業。不法滞在している高学歴な外国人現場労働者。真面目過ぎる故に50になっても結婚できないでいる主人公の兄。などなど

印象に残ったのは、第3子の名前をヴァスコと付けるのだが、これはイタリアの有名なロック歌手ヴァスコ・ロッシから取られていて、映画の中の、妻の葬儀のシーンでは、彼の歌「anima fragile」を、主人公が泣きながら絶唱する場面がある。
映画の内容、そのままの歌で、改めて聴き直してみたいと思った。
posted by tady at 17:34| ローマ ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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