2011年05月16日

イタリア映画祭2011 その12「はじめての大切なもの」

原題「La prima cosa bella」。監督はPaolo Virzi。彼もまた、イタリア映画祭の常連監督と言っていい。主演は、Valerio Mastandrea。自信の持てない中年男を熱演している。しかし、なんといっても、この映画の見どころは、主人公の母親を演じたステファニア・サンドレッリだろう。

ミラノで、国語教師(イタリア語の教師)をしている主人公のブルーノは、自分に自信が持てず、生徒から麻薬を譲ってもらって公園でボーっとするのが、唯一の息抜きというような、怠惰な生活を送っている。しかし、何故か、同居している活動的な女性は、そんな主人公に魅力を感じている。だが、踏ん切りがつかない主人公は、結婚まで至っていない。
そんな中、妹から、母親が末期癌で入院しており、もう先は長くないと知らされ、故郷のリヴォルノへ見舞いに行くことになる。
彼が人生に対して、消極的なその原因は、あまりの自由奔放天真爛漫だった母親にあった。

1971年の夏に、リヴォルノの海水浴場で行われたミスコンの余興として行われた、魅力的なミセスコンテストで、優勝した母親は、お堅い夫から、浮気するのではないかとあらぬ嫉妬を受けて、別居してしまう。彼女は、当時幼かった主人公と彼の妹を養うために、女の魅力を武器に仕事を得るのだが、それはまさに男を渡り歩くような生活。
高校を卒業すると同時に、そんな母親から逃れたくて、主人公は故郷を捨てる。

末期癌の母親は、年老いてなお、自由奔放で、見舞いに来た息子と病院を抜け出して、夜の町に遊びに出てしまう。
そんな母親を見ながら、過去の記憶をたどり、自分の人生を見つめ直す主人公。

死が迫る中、母親は、ずっと世話になっており、彼女を崇拝していた家の管理人の男性と結婚を決意し、ベッド上で結婚式をあげる。結婚式に招待する人の中には、子どもの出来なかった地元名士の夫婦に頼まれて、その夫婦の子として、彼女が産んだ弟もいた。
母親は結婚式直後に他界してしまう。

タイトルの「La prima cosa bella」は1970年にヒットした歌から取られており、劇中で何度も流れる。

1971年から現在まで、行ったり来たりするので、話の筋を追うのが大変かも知れない。
自由奔放に生き、最後に皆に看取られながら死ぬというのは、なんと幸せなことなんだろうと、思ってしまった。
母は強しって映画だが、老いてなお美しいステファニア・サンドレッリがとってもよかった。
イタリアのマンマはやっぱり偉大だ。
posted by tady at 21:47| ローマ | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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