2011年06月11日

イタリアの脱原発国民投票始まる。

明日12日の午前8時から、イタリアの原発再開の是非を問う国民投票の投票が開始される。投票は、12日の午前8時から午後10時までと、翌13日の午前7時から午後3時までとなっている。日本の感覚で言うと、日・月で行われるのはちょっと違和感があるかも、、、、
今回投票に付される国民投票は4つあって、ひとつは、水道事業の民営化の是非を問うもの、もう一つは、水道料金を利益が出るように事業者が値上げできるという法律の是非を問うもの、そして、3つ目は、イタリアでの原子力開発再開の是非を問うもので、4つ目が国の重要な職にある期間は、その人物の刑事訴追を停止するという法律の是非を問うものである。

水道事業の民営化に関しては、この間、ベッペ・グリッロなどが強く反対していたもので、水道事業を民営化することで、どんなことが起きているかは、真保裕一の小説「ブルー・ゴールド」なんかでも若干触れられていたけれど、公共サービスに資本主義市場の考え方が導入されることにより、ライフラインの一つである「水」の価格が上がって、貧困層での水が使えなくなるってことが起きるという。
2つ目は、まさにそれで、水道事業への投資に見合った利益を上げるために、水道料金を7%上げるって法律らしい。

3つ目の原発問題に関しては、日本のマスメディアでも取り上げられていたが、原子力開発の再開を目論むベルルスコーニ政権は、今後8機の原発を建設するという方針を出したのだが、それに反対するものである。

4つ目も、日本のマスメディアが取り上げているので、詳しく書かなくてもいいかな、、、

いずれの国民投票も、現在ある法律の該当する条項の削除を求めるものだ。
イタリアの国民投票は、何種類かあるのだが、多くの場合、現在ある法律の廃止ないしは条文の削除を求めるものである。
これは、三権分立の民主主義のシステムにおいて、立法権と司法権は、それぞれ国会と裁判所にあるわけで、なんでも国民投票で決められるようになっていると、その根幹が崩れてしまうから、立法権のある国会ないしは、行政権を持つ政府が出した政令などについて、署名を集めることで、裁判所の審査を受けて、その是非を問う国民投票が実施できる形になっているようだ。

今回の原発国民投票に関しては、投票日が迫るなか、6月9日に、ローマ法王が、新たにバチカン市国に着任した大使を前に、フクシマの原発事故の例もあげ、「人間は、神の作った自然を傷つけるようなことをしてはならない」と原発反対の意思表示をしている。ドイツ出身の法王なので、ドイツの脱原発の動きに影響されたとは思えないけど、これは極めて異例なことだと思う。

そもそもバチカン市国とイタリアとの関係は、建前上、ラテラノ条約によって、内政干渉はしないことになっている。もっとも、かつてキリスト教民主党がイタリアの与党であったころは、選挙のたびに、内政干渉まがいの発言をして、キリスト教民主党有利に動いていた過去もあるけれど、今回はまったく正反対の発言だ。

イタリアの有名な歌手チェレンターノも、これまた有名なテレビ司会者サントーロの番組の中で、今回の日本の震災の映像や、韓国映画「ツナミ」からパクった映像と思われるものをコラージュしたビデオクリップを発表したりしている。
http://tv.repubblica.it/copertina/no-al-nucleare-l-incubo-di-celentano-in-video/69843?video

国民投票は、日本の震災前から準備されてきたものだが、福島原発事故の影響がどの程度出てくるのか、結果に注目して行きたいと思う。
posted by tady at 11:12| ローマ | Comment(3) | TrackBack(0) | イタリアのニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この投票結果はかなり気になります!
ベルルスコーニの投票延期の目論みが破れ、この時期の投票。
脱原発の維持を願います!!
Posted by uovo at 2011年06月11日 22:15
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