2008年05月14日

久々のコンサート

数十年ぶりってことはないけれど、確実に十数年ぶりにコンサートに行ってきた。
我が家でとっている新聞販売店を通して、SS席12000円が9800円って格安で購入できたたため。
聞いてきたのは、あまりの我侭と気難しさに、イタリアの有名なジャスフェスティバル、ウンブリア・ジャズに出入り禁止となってしまった、キース・ジャレットのソロコンサートだ。
一時期、彼のケルンコンサートのレコード(CDじゃない)にはまっていたことがあるが、最近は、全く聞いていない。まあ、彼だけじゃなく、音楽全般聞いてなくって、もう10年近くCDは買ったことがない。

それはともかく、久しぶりの生のコンサートを堪能した。
会場には、彼の気難しさを表すように、即興演奏は、極度の集中力を要するので、携帯電話やPHS、アラーム付きの時計は電源を切るように、また、咳なども、ハンカチで口を抑えて音を立てないように注意しろって張り紙がしてあった。
そう、コンサートの曲目は、全てインプロビゼーションによるもので、楽譜などないのだ。
19時開演に少し遅れて舞台に登場した彼が奏でたのは、不協和音。ピアノの鍵盤の上を縦横に走る彼の指先から発せられる音は、混沌と不安と猥雑を表しているように感じられた。そして、ピアノという楽器が、音楽を紡ぎ出す楽器ではなく、鳴らす楽器だってこともわかった。次々と叩かれる鍵盤から出る音で、ピアノが鳴っていた。演奏する彼も、立ち上がったり、唸ったり、まさに今、彼の内部から音が搾り出されてくるような感じであった。
やがて、そのカオスから日本的なリズムが始まり、メロディーが奏でられる。僕には、日本の春の里山を楽しく歩いている風景が見えた。
長い長い緊張の続く混沌から、楽しいげなリズムが導き出されると、なにやらホットすると同時に晴れやかな気持ちにさせられた。
1曲目の演奏は、40分あまり、20分の休憩をはさんで、20時10分に第2部が始まった。

2曲目は、最初からわかりやすいリズムを刻んでおり、混沌へと移行したかと思ったら、すぐにメロディアスな旋律に変り、これは1曲目で疲れちゃったかな? って感じで短めで終わった。

3曲目も、初めは叩きつけるような音から始まり、うねるような音の洪水。そして1曲目よりさらに優しい感じのメロディーへと変わって行った。

2曲合わせてほぼ40分ほど、21時前には、コンサートのメインは終了。
ちょっと物足りないなぁーと思いつつ、アンコールを期待して拍手。

2度3度と舞台に出てはくるものの、すぐ袖に引っ込んでしまったキース・ジャレットも、観客の拍手に応えるように、ピアノの前に座り直し、アンコールの1曲目を弾き出す。
3曲目の余韻が残っていたのか、奏でられたのは、分かり易い優しいメロディーだった。
アンコールってこともあったのだろうが、肩の力が抜けたような、緊張感のあまりない、いい感じの曲だった。とっても短かったけどね。

彼が引っ込むと、再び拍手。これにも彼の方が根負けして、アンコールの2曲め。こっちは、1曲目の終わりのリズムが残っていたのか、リズミカルで、楽しい感じの曲。ああ、こういうジャズなら聞きやすいなぁーって思うものだった。

それでも観客は満足せず、またもや彼が戻ってきた。アンコール3曲目は、繊細で優しい曲。今日のコンサートで、一番気に入った。

もう、これでアンコールはないだろうと思っていたら、観客の拍手に、はいはい、分かりましたよって感じで、再び登場。ここで初めて、彼が舞台で話した。もう9時過ぎちゃったけど大丈夫?なんて時計を見ながら言っていた。
アンコール4曲目は、ノリの良い曲で、思わず客席からも手拍子が。しばらく客の手拍子と共演したあと、はいここまでってジェスチャー。手拍子が止むと、最後の締めを演奏して、コンサートは終わった。

アンコールで4曲(みんな短かったけどね)も演奏してくれるとは思わなかった。
大満足のコンサートでした。
posted by tady at 23:40| ローマ ????| Comment(2) | TrackBack(0) | musica | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
キース・ジャレット!懐かしい〜。
ケルンコンサート、私も一時期、よく聞きました。
この人、そんなに気難しい人なんですか?知りませんでした。
何はともあれ、生の演奏って、やっぱりCDやレコードと違って、何かが伝わってくるというか、同じ時間を共有している連帯感というか、感動的ですよね。
tadyさん、良かったですね!
Posted by コアラッコ at 2008年05月15日 09:19
コアラッコさん、コメントありがとうございます。
演奏が始まった時は、失敗したかなっておもちゃいました。とにかく、聞いてる方の客も疲れちゃうって感じでした。
兎にも角にも何らかの旋律やリズムがある音楽は、聞くのが易しい。
その点、まるで音の洪水、カオスの中に投げ出されてしまう感じの彼の演奏は、全く持って、疲れます。
でも、最後は、心地良いって感じられるコンサートでした。
今度は、もう少し、分かりやすくてリラックスできるアーティストのコンサートを選ぼうと思ったのも確かですが、、、
Posted by tady at 2008年05月17日 07:18
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